今週は「刺し子」週間でした。
刺し子というより刺し子の「糸」を使った小物作り。
日本の古くから伝わる伝統刺繍「刺し子」からは程遠い、私流の「刺し子」を楽しんでいます。
最近は伝統を重んじる一方で手芸としても使われるようなりました。
だからこそできる我流。自由な発想で自由に表現できることはとても嬉しいことです。
「刺し子」とは
そもそも「刺し子」とは厳しい寒さを防ぐための防寒、保温として衣料にしたことが始まりだそうです。
貴重だった布を縫い直し、補強して長く大切に使うために発達した生活の知恵、それが「刺し子」。
イギリスのアンティークキルトやインドのGudriなども、日本の「刺し子」と同じように手を加えながら長く大切に使われています。そういう知恵は万国共通なのでしょうね。
布を大切にする気持ちと家族の為にひと針ひと針縫い合わせていく女性たちの姿を想像すると、とても温かい気持ちになります。
「刺し子」は受け継がれていかなければならない大切な伝統だと改めて思います。
思い起こせば「花ふきん」
いわゆる伝統的な刺し子はしたことがないのですが、一度だけ花ふきんを作ったことがあります。
かれこれ25年前、花ふきんキットを購入して作りました。
「花ふきんキット」
- 布 さらし(図案入り)
- 糸 刺し子糸(綿100%)
- 針 刺し子針
- 説明書
初心者には取り掛かりやすいキットでした。
説明書を見ながら一目刺しでゆっくり丁寧に縫っていくと、真っ白なさらしに真っ赤な糸の模様が広がってとてもきれいで感動したことを覚えています。
手作り花ふきんは、25年間ごはん茶碗の入った籠を優しく包んでくれています。
花ふきんは母親がお嫁に行く娘に持たせるためのいわば「嫁入り道具」として、母親がせっせと作りためたものだそうです。
洗う度に真っ白な布が鮮やかな糸の色に染まっていくことから「早く嫁ぎ先の色に染まってほしい。」という願いがあったとか。
花ふきんの意味、それに込められた願い、当時の母親たちの気持ちを思うと、ぐっとこみあげてくるものがあります。
私流の「刺し子」
実は、花ふきん以降刺し子と関わることはありませんでした。
5年ほど前、仕事で刺し子を取り入れたことが「刺し子、再び」でした。
刺し子の良さは一目刺し(または運針、またはぐし縫い)にあると思います。
10㎝くらいをまとめて一目刺し!スーッと糸を引く!きれいな線ができる!
「OH! ナイス!」
一色でもいい、たくさんの色を使ってもいい、繰り返し繰り返し刺していくと生まれる模様は自己満足の極みです。
刺し子は私に糸で遊ぶ楽しさを教えてくれました。
相変わらず我流ですが、自由自在に表現できる喜びに浸っています。
これからの「刺し子」
500年の歴史があると言われている「刺し子」。
長く長く受け継がれてきた伝統刺繍「刺し子」はこれからも守っていかなければなりません。
時代の流れとともに変化した生活スタイルの中で刺し子も変化。
今やクッション、バッグ、コースター、タペストリー等、新しい感覚とオリジナル図案で身近に取り入れられています。
昔ながらの刺し子、変化する刺し子、どちらも大切にしながら、これからの作品作りのお手伝いができたらと思います。
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