「素敵な大人」
お出かけの時、母の胸にはさり気なくブローチがさしてありました。
真珠、べっ甲、木彫り等、、、
子供の私には「素敵な大人」を感じさせる高貴なものでした。
母のブローチのひとつひとつに込められた想い、聞いておけばよかったな～、と今更ながら思います。
母が留守の時、鏡台の引き出しをそ～っと引き出す。
見える見える、キラキラと輝くブローチ達。
本当は輝くほどのものは入っていなかったのかもしれませんが、幼い私にはとてもとてもまぶしかったのです。
うっとりと眺めながら、「素敵な大人」を夢見ていたものです。
初めてのブローチ
これは私の初めてのブローチ。昭和40年代のものです。
裏には「ひとみブローチ」と書いてあります。この子の名前が「ひとみ」なのか作った会社名なのか、、、。
母が作ってくれたワンピースにつけて、靴も帽子もおしゃれしてスキップスキップランランランの私でした。
大人になってからは、（なんと！？）アクセサリーをつけるのがどうも苦手になり、あまり身につける機会は減りましたが、ブローチだけはいつも私の心をくすぐる存在でした。
ブローチブーム再来
ブローチブームの再来は、障がい者支援施設で利用者さんに縫い物、羊毛フェルト、刺し子を教えていた時。ずいぶん後のことでした。
羊毛フェルトでブローチを作ってもらうために、こちらで考えた試作の作り方を教えていた時のことです。
試作を無視して作る利用者さんのブローチが大胆で、でもどこか繊細で。私の想像をはるかに超える素晴らしいものばかりでした。
イベントの際には、多くのお客様が手に取り、胸に帽子にショールにバッグにと思い思いの場所につけて喜んでいるのを見て、嬉しい気持ちでいっぱいになりました。
「オシャレって自由」
「ブローチってすごい」
またもブローチに魅了されたわたし。どこか懐かしいワクワク感。
何がきっかけになるかわからないものです。
それからというもの休みの日は羊毛フェルトや刺繍でブローチ作り。
なんといってもブローチ作りは場所を取らない、ちょっとした手仕事、気楽に作れる、、、いい事尽くしです。
小さくまとまる道具ですから、外出の際バッグの中に入れといてちょっとした時間にチクチク。
最近の手作りブローチたち（刺繍・刺し子・羊毛フェルト）
最近は猫や犬に加えて鳥のブローチも好まれます。
北海道で鳥の仕事をしている甥に、昨年羊毛フェルトで作ったタンチョウのブローチをプレゼントしました。
これをどこかにつけてタンチョウの観察をしてる姿を勝手に想像する楽しさ。
改めて、「ブローチってすごい」
好きなブローチを好きな所にさり気なく。
ちょっぴりオシャレな自分が嬉しい。
そしてそして、私のブローチを誰か気付いてくれたらもっと嬉しい。
もうすぐ春、昨日は優しい色合いのブローチを作りました。（wasako shopもぜひ覗いてみてください。）
幼い頃の私のように、「素敵な大人」を夢見る子供がどこかにいるかもしれません。
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