「娘の卒業式にはwasakoさんのブローチをつけるって決めていました。」
友人からの嬉しい嬉しいお言葉。
でも、、、これまで作ってきた四季折々のブローチは、ワンピースやブラウス、カーディガン、ショール、帽子といったカジュアルな服装に焦点を当てていました。
作り手としてとても恥ずかしいのですが、フォーマルな装いには大きめのお花のコサージュや真珠などの宝石類のブローチが当たり前だと勝手に決めつけていたのです。
「今の時代、何でもアリよ!」と豪語していた私がなんてことでしょう!
よし!!作ろう!
嬉しい時には胸元を華やかに、そうでない時はそっと寄り添えるような・・・大切な日に優しくお手伝いできるブローチを作らなきゃ!
黒のスーツにあう刺繍ブローチ
頂いた宿題は、「黒のスーツにあうブローチ」。
「卒業式」・・・デザインは?色は?下地の色は?
これまでとはちょっと違う発想で作ってみることにしましょう。
デザインを考えて、刺繍図案を描いてみる
実は私、デザインはざっと落書き程度でほとんど描きません。
ぼ~っと考えて思い浮かんだのを直接布に描いて縫うパターン。
出先で突然ひらめいたら必死で覚えるかメモして、家に帰ってすぐに作るパターン。
割と刺繍図案を描く前に縫ってしまうところがあります。計画性がないといいますか・・・。
しかし今回は、デザインを考えて刺繍図案を作りました。
これまでの雰囲気を生かしつつ、発想を変えて、デザイン的には大胆ですが、落ち着いた色で仕上げるつもりで描いてみました。
「卒業式」「黒のスーツ」というテーマが私にこれまでと違うブローチへの向き合い方を教えてくれたような気がします。
ブローチ制作
作った刺繍図案ですが、そのまま布地に写すことはしません。
なぜかというと、いざ制作を始めると「もっとこういう風にしたい!」とか、「こっちの方がかわいいかも?」なんていう突然のひらめきが出てくるかもしれませんので。
自由気ままに縫う。刺繍の醍醐味です。
とは言え今回は、普段意識しないテーマですので、刺繍図案をある程度しっかり見ながら制作しました。
色々気づきもあって、これはこれであり。
デザインを紙に描くって大切・・・今更ながら。
今回花以外のブローチについては、下の4つを意識して作りました。
・ 繊細さを出したくて刺繍糸は一本どり
・ 友人の生活スタイルから浮かぶ色を考える
・ 黒いスーツを着た友人の姿を想像する
・ 派手過ぎず地味過ぎず、それでいて個性的
おめでたい「卒業式」ですから、にしき糸を所々に入れました。
ラメ系なのでキラリと放つ輝きが、さり気なく華やかさを添えます。
こうして五つのブローチができました。デザイン画と比べっこしてみましょう。
・大きな一輪のバラはデザイン画とほぼ同じ。にしき糸を上の花びらに使いました。写真では分かりづらいですがキラキラしていてさり気なくゴージャスです。
・ショートカットがよく似合うおしゃれな友人をモデルに作りました。「赤いアイシャドウを塗らなきゃね!」と、律義に言うかもしれません。デザイン画よりブローチの方が友人に似ています。
・デザイン画をもとにデザインしながら刺繍していきました。こうしたらいいかな・・・と、ついつい遊んでしまいます。赤い糸が目を引きます。デザイン画に忠実な方がよかったでしょうか・・・。
・これも遊び過ぎましたが個性的な模様にしてみました。落ち着いた色でまとめたのでひそかに存在感をアピールします。
・デザイン画と同じにみえますよね!大人の雰囲気に仕上がりました。
とっておきのブローチ
もっとこうしたい、もっとこんなのを作りたいという欲がどんどん湧いてきて、「作ろうよ!」と私が私の背中を押しています。
卒業式までもう少し!今浮かんでいるアイデアをもっと形にしてみようと思います。
そして、たくさん作った中から、「とっておきのブローチ」をみつけていただこうかと。
娘さんの卒業式という大切な日のために、「このブローチをつけて良かった。」と思えるような素敵なブローチを届けたいです。
今回作った5つのブローチは、これまでに作ったブローチ(下の写真)とはなんとなーく雰囲気が違う気がしますがどうでしょうか。
これまでに作ったものもぜひご覧ください!
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